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2010年9月 4日 (土)

日本とイギリスで・・・

今日の日記はず~っと前にやってたクローズアップ現代の受け売りでっす。

一昨日の日記で「ペットショップについてはまた後日」って書いたので、今日書いてみることにした。

その回では「ペット」事情の、特に犬の悪徳ブリーダーとか悪徳業者についての事をやっていた。

見ていて・・・愕然となった。

何に愕然したかと言うとイギリスと日本の動物に対する法律と意識の違いだ。

まずはブリーダー登録について。

イギリスは国の許可が降りないとブリーダーにはなれない。が、日本は申請すれば誰でもブリーダーになることが出来る。

二つ目は出産の間隔について。

イギリスは出産したら一年以上は間隔を開けないといけない、そして一生の内に子犬を生ませていいのは六回までと具体的に記されているのに対し、日本では「適当な間隔を開け、適当な回数にすること」となんとも曖昧な記され方になっている。

そして母犬から子犬を離す時期について。

イギリスでは8週間は母犬と一緒にいさせてやらなければならないが、日本ではこれまた「適当な日数」となっている。

特に出産の間隔について語るが、もし、犬に短い間隔・・・そうだなあ~300日くらいの間隔しか開けなかったとしたら、イギリスではこの人を罰することが出来る。

「一年以上開けること」とはっきりと記されているのだから、裁判で問われるのは法律を破ったか?破ってないのか?要するに出産の間隔を一年開けたか開けないか?であって、答えはこの二つのいずれかしかない。

この場合300日しか開けてないので法律を破ったと言いきれる。

ところが日本のように「適当な間隔」となると、なかなか悪徳業者を罰することが出来ない。

人によっては300日を適当だと言う人もいるし、適当でないと言う人もいる。

そもそも何を持って適当であるかどうかを判断していいのかわからない。

犬自身が「それは短すぎるよ~」と言えるわけではないのだから。

300日を適当であるかどうかが言いきれないと言うことは、この人が法律を破ったかどうかをはっきりと言い切ることが出来ないと言うことであり、と言うことは、この人が有罪であるとはっきり言いきれない。
有罪であるとはっきり言いきれない場合、判決は「無罪」となってしまう。

その原因は「間隔の長さ」を一義的に出来てないのと、排中律が出来てないのが原因だ。

こんなに曖昧な記し方をしてるから、有罪か無罪か二者択一の法の現場において機能しない法律となってしまうのだ。

要するに・・・日本ではどんなに短い間隔で無理矢理子犬を生ませる人がいたとしても罰するのは難しいわけだ。

イギリスのように一年以上間隔を開けることとしていればこんなことにはならないのに・・・

それにイギリスでは一匹の犬に子犬を生ませるのは一生に六回まで、しかし日本は「適当な回数」10回でも20回でも適当と言い張る人は言い張るだろう・・・

それと、子犬は母犬と8週間は一緒にいさせてやらなければならないと言う法律。

これはせめてこれくらいの間は子犬には母犬が必要であるという事から施行されてると思うが、これを日本でやるのは非常に難しい。

何故なら、日本では「どうせ飼うなら子犬から育てたい」と言う人が大多数でなので、生後二ヶ月を過ぎた子犬は「商品価値」が大きく下がるからだ。
悪徳ペット業者にも憤りを感じるが、子犬ばかり欲しがる買い手の方にも憤りを感じる。

そもそも、悪徳業者が無理矢理繁殖させようとするのは、流行の犬種を欲しがるミーハーな買い手がいるからだ。

それと、可愛い子犬の頃から育てたいという気持ちもわかる。が、そのためには生後間もない子犬を母犬から離さなければならない。

まだまだ母犬に甘えたい盛りの子犬を母犬から引き離す・・・こんなことが許されていいのだろうか?

でも、業者側は買い手がそれを望めばそれをやる。

ペットショップに並んでる子犬たちはまだまだ母犬が必要な時期なのに母犬から引き離され、狭いゲージの中に押し込められ、大勢の人の視線にさらされているのだ・・・そう考えたら「可愛い☆」よりも「可哀想・・・」と思えてくる。

そのかわいそうな動物たちを少しでも減らすために、まずは我々の意識を変えなければなるまい・・・

そもそも、子犬から育てると言うのは生半可なことでは無い。

世話をして、しつけをして、予防接種をして・・・それを10年以上も続けなければならない。

モノを買うのとはわけが違う。
例えば車なら、気に入らなければ売り払うか廃車にすればよい。でも・・・生き物はそういうわけにはいかない。 ・・・ま、この国ではそういうわけに行くんだけど・・・

法律で言えば・・・資本主義国家には「私的所有権」というものがあり、日本の民法にも「所有者は自由にその所有物の使用、収益、及び処分を成す権利を有す」と記されている。

動物は物として扱われるから・・・飼いきれなくなったら合法的に処分する権利、すなわち保健所に連れて行き命を絶ってもらう権利が飼い主には与えられている・・・この国ではね。

つまり、動物の生死は飼い主にゆだねられてるのだ。動物を飼うときに、それだけの覚悟をしてる人が一体何人いるだろう?

外国の方では動物を初めて飼う場合、最初は成犬から飼う人が多いらしい。

この成犬をどこから連れてくるかと言うと、役目を終えた職業犬であったり、ブリーダーさんが飼っていたものであったり、ある事情があってシェルターに保護されてる犬であるとか・・・ま、いろいろなんだけど

成犬であるなら、もうすでに誰かがしつけをしてくれているからしつけをする必要が無く、子犬みたいにわがままなこともなく初心者にも飼いやすいというわけ。成犬だから子犬ほど長くは生きないので面倒見る期間も短くて済むし・・・つまり「初心者向き」ってわけだ。

最初は成犬で犬を飼うというのはどういうことかを覚えてから、次からは子犬を飼う・・・なるほどな~と思った。

でも、日本人は最初から子犬を飼いたいという人がほとんどだ。

そして・・・ずいぶんなわがまま犬に育ってしまうと言うパターンが多い(ウチも・・・)

子犬は確かに可愛い。でも、せめて二ヶ月くらいは母犬のそばにいさせてあげよう、それをするために、生後間もない子犬を欲しがるのはやめよう・・・そして、ペット、ではなく、動物達を守るための法律をもっとしっかりしたものにしてほしい・・・そう思わされた番組であった。

動物に関する法律では日本は非常に遅れておりますな。

わがまま犬や、言うことを聞かない犬を時々テレビで見るけど、飼い主の方はよく恥ずかしくないなと思う。

そんなみっともない、ろくにしつけが出来てないというのは飼い主にとって「恥」である。そういう意識なんてないんだろうな・・・

そんなしつけの出来てない犬と共にテレビに出て喜んでるなんて・・・飼い主としての責任感に欠けているとしか僕には思えない。

ペットを売るほうの意識も、買うほうの意識も、そして法律も、全てにおいてイギリスよりもだいぶ遅れているなと思わされた番組であった。

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